【不定期連載】すぎやまのラーメン聴こう【第2回】
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ある朝、すぎやまが何か気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。
すぎやまは鎧のように堅い背を下にして、あおむけに横たわっていた。頭をすこし持ちあげると、アーチのようにふくらんだ腹が見える。
すぎやまはすぐに思った。
「イヤホンがつけられない!」
手足は何やら気色の悪い色をしていて、とてもイヤホンをつかめそうにない。第一、自分の「耳」が一体どこにあるのか見当もつかなかった。
震える心を落ち着けるため、寝床を出て洗面所へ向かうことにした。
慣れない身体にやっとの思いで洗面所までつくと、鏡に写った自分の姿に愕然とした。
「なんてこった!」
「アン◯ロイドなんて、i◯honeのパクリ」と煽りすぎた天罰が下ったのだ。
悲しいのでラーメンを食べに行くことにした。
いざ「中華そば 椿」へ!
手足が異様に短いので自転車に乗ることはできなかった。
どうしようかと思っていたら、背中に羽があったのでパタパタと飛んでいくことにした。
自宅から飛ぶこと約15分。ラーメン店「中華そば 椿」が見えてきた。
店についたのは良いがドアを上手く開けられない。
店の前でモジモジしていると、店員さんが来て開けてくれた。
しかし、すぎドロイドを見るなり閉められてしまった。
店の前でオイオイと泣いていると、店の大将が不憫に思ったのか、仕方のない様子で店に入れてくれた。
すぎドロイドは店に入るなり、大きな声で
「大将!いつもの!」
と叫んだ。
すると大将はうなずいて、「食券を買って下さい。」と静かに言った。
そう、このお店は食券制なのだ。
いよいよ、ご対面
待つこと10分。ようやく「いつもの」が着ドーンする。
「つけめん+チャーシュー追加」
椿のつけめんは、魚出汁豚骨スープだ。とてもドロっとしている。(ダジャレじゃないよ)
最近は、この「魚+動物」系のラーメンが増えてしまって、ちょっと食傷気味なのだけれど、椿のつけめんはひと味違う。とてもクリーミーでマイルドな味わいなのだ。
とはいえ、ただコッテリしているだけではなく、風味付けに「柚子」が使ってあることで爽やかな後味となっている。
椿の美味しさはつけダレだけにあらず。麺も素晴らしい。タピオカが練り込んであるという太麺は、プリプリとした弾力と、ツルツルとした舌触りを持っている。何度でもすすりたくなる、気持ちの良い食感だ。
さらに見逃せないのが、このチャーシュー。アンデス豚をハーブで煮たというこのチャーシューは、箸で持つとホロホロと崩れてしまうほどの柔らかさ。味もしっかりと染みていて、食べごたえがある。
二郎系で慣らされた「豚」ファンにも、ぜひ食べてもらいたい美味さだ。今日は調子に乗って、チャーシューを追加したら、箸で持っているサイズのチャーシューが3枚も入っており、胃が悲鳴を上げた。
食べ終わった後には、卓上の魔法びんにスープ割用のスープが置いてあるので、余すことなく楽しむことができるようになっている。
つけめん、あるある
ここからはちょっと余談ですが、ワタクシは、割用のスープを間違って水を飲むコップに入れたことがあります。
その時はちょっと考えてから
「飲みました。」
で、「あぁ〜ここの出汁はこんな感じなんだぁ。」と、さも「出汁の味を知りたくてやりましたよ。わざとですよ。」的な感じに取り繕いましたね。もしも、同じミスをしてしまったら、オススメの解決法です。
美味しいラーメン店「中華そば 椿」
ということで、今回お邪魔した「中華そば 椿」さんは、とても濃厚で美味いつけめんを出しています。
コッテリしたつけめんが好きな方にはオススメですよ!
エピローグ;家に帰ると
虫になってしまったすぎやまは、ラーメンを食べて終えて家に帰ってみると、手紙を発見した。手紙は「城」からのものだった。
「すぎやまを雇うことにするので来い」と書いてある。
さて、すぎやまは無事に城まで辿り着けるのか。というのはまた別のお話。
(※この話のラーメンの感想以外の部分はフィクションです。)
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