【レビュー】ONKYO DP-X1 期待のAndroid DAPを試す
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2015年もいよいよ残りわずかですね。
今年はこうしてヘッドバンクを開設し、様々なヘッドホンやイヤホンと出会うことができました。そして同時に様々な方と知り合うきっかけにもなりました。
先日、息子の誕生を報告させて頂いた際には、皆さまから暖かいお言葉を数々頂戴し、感謝感激するとともに、こうした活動を始めて改めて良かったと思いました。本当にありがとうございます。
ということで、今回は2015年最後のレビューはONKYOのDP-X1にします。
今年は数々のDAPが登場し、高級オーディオプレーヤー市場もとても賑わいましたね。しかしながらその多くのプレーヤーは海外製で、日本のメーカーではSONYが頑張っているくらいなものでした。
そんなわけでONKYOのDP-X1は、久々の国内ブランドのDAPということで非常に注目度が高かったように思います。ヘッドホン祭でも大人気で、試聴には長い行列ができていましたね。
ユーザーの注目も高いDP-X1、完成度はどうだったのかレビューしたいと思います。
レビュー ONKYO DP-X1
使い勝手はまさにAndroidスマートフォン
DP-X1の使い勝手はスマホそのものです。音が良くてバランス接続もできるスマホ。それがDP-X1を使っていて思った印象でした。
しかしながら曲の再生や停止、ボリュームがついているのでいちいち画面で操作しなくても良いのはスマホと違い便利です。
メニューには「ボリュームロック」もあるので、画面オフ時に勝手に音量が変わらないようにもできます。
操作感もスムーズでもたつきはありません。micro SDカードの読み込みも速いですね。曲間もギャップはほぼありませんが、少しプツっという切れ目は感じました。
曲の停止や再開時には音がフェードするので、耳に優しい設計になっています。DAPによっては曲の停止や再開で「ブチッ」と音がするものもあり、このあたりの配慮には「おもてなし」の日本を感じました。
Music アプリを見てみよう
DP-X1では「Music」という専用アプリで音楽を再生します。
ホーム画面からMusicを見た画面がこちら。
この画面がなかなか便利で、リピート再生やシャッフル、ラインアウト設定などを変更することができます。
特に優秀なのが「Stand-alone」というボタンで、こちらを押すとWi-Fiなどのノイズに繋がるものを全てオフにしてくれます。画面をオンにするとStand-aloneは自動で終了し、Wi-Fiも復活します。
Wi-Fiはバッテリーの消耗にも繋がるので、音楽だけを聴くときにはオフにしたいもの。そのあたりのニーズもうまくとらえた設計になっていますね。Stand-aloneだと音のクリア感も増すのでオススメです。
こちらはMusicアプリの設定画面。デジタルフィルターやアップサンプリングの設定、e-onkyo musicの設定などができます。
便利なのは「DSP機能」というチェックボックス。ここでアップサンプリングなどを使うかを一括で設定できます。アップサンプリングの効果は曲によってまちまちで、荒いギターロックではほとんど効果を感じませんが、エレクトロニカなどの電子音楽では音の奥行きが少し増したような印象を受けました。
使うか使わないかは好みだと思いますが、私は基本的にオフで使うことが多かったですね。
続いてEQの設定画面。EQはPreset EQとFeatured EQの2種類があります。Presetはロックやジャズなど分かりやすいEQですね。
DP-X1のEQは劇的な変化があるわけではなく、フワッと音が変わるだけです。イコライザー嫌いでも許容できる範囲の変化だと思うので、気分で使ってみるのも良いかもしれません。
Featured EQは海外の著名人のEQが使えます。あまり知ってる人がいなかったので、できればアップデートで日本のミュージシャンなんかを追加してくれたらウレシイと思いました。
クリアでクセの無いサウンド
肝心の音質はというと、ノイズ感の少ないフラットで素直なサウンドだと感じました。繋いたイヤホンやヘッドホンの特徴をそのまま伝えてくれます。素直とはいっても決して薄っぺらな音ではなく、音の芯や深度を的確に捉えた心地よい音作りになっています。
派手さのない音なので、一聴しただけではパッとしないと思う人もいるかもしれませんが、音量をかなり上げても歪まない音像は見事だと思いますね。これ以上の音のDAPを求めるならそれ相応のお金がかかりそうです。
バランス接続も確かな実力
DP-X1のウリであるバランス接続にも確かな実力を感じました。音の分離感、パワー感がグッと増します。アンバランスとバランスの比較については以前の記事で書いたので、ここでは「BTL駆動」と「ACG駆動」を比較しましょう。
BTL駆動は一般的なイヤホンのバランス駆動と同じ方式で、左右2個ずつ計4個のアンプを使って駆動する方式です。一方、ACG駆動はCOLD側アンプの増幅能力を使ってGNDをアクティブにドライブし、揺らぎのない理想的なGNDをキープする方式です。
BTL駆動の方がパワーが出るのでヘッドホンを接続するのであればBTLがオススメですが、イヤホンであればACGの方が良い音だと感じました。具体的にはACGの方が低域の沈み込みをより感じ、DP-X1の持つ音の深みとクリアさをさらに引き立たせてくれます。
イヤホン接続であればACGを積極的に使いたいですね。バランス接続すると低域の制動や音の見通しが良くなる分、良くも悪くもスッキリした音像になることが多いですが、DP-X1のACGならば音の迫力を保ちつつ、1段クリアな音を楽しむことができそうです。
総評
大きな期待とともに発売されたDP-X1ですが、その期待に充分応える出来栄えだったのではないでしょうか。バグなども無く安心して使うことができるのは、さすがの日本クオリティーです。
この価格でここまでのクオリティーのDAPは他に無く、サイズ感やバッテリー時間に問題がなければ現状ではベストバイではないでしょうか。(小さいものが良いならばPAW5000かN5、バッテリー命ならばZX100かPLENUE Dあたりを推薦します。)
基本的にはAndroidなので、音楽以外にもゲームや動画を高音質で楽しむことができます。音楽定額サービスも使用でき、Apple Musicも問題なく使えるのはとても良いですね。ラインアウトの質も高く、アナログアウトもデジタルアウトもできるのでポタアンとの相性もバッチリです。
唯一惜しいのは大きさでしょうか。横幅がもう少し小さければ100点満点のDAPだったことは間違いありません。とはいえ小さくしてしまえば駆動時間が減るわけですから一長一短ですね。
DP-X1は使ってみて改めて購買意欲が高くなる機種でした。欲しいと思っている方は買って損のないDAPだと思います。5万円くらいのDAPで悩んでいる方も、思い切ってこちらを選択するのも良いかもしれません。現状では1番オススメです!
2015年もありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
よいお年を!
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