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新しくオープンした渋谷HMVに行ってきたけど失敗する予感しかない

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HMV_Shibuya

どうもすぎやまです。

突然ですがCD買ってますか?

 

CDが売れないと叫ばれて久しいこの頃、CD屋さんは死にそう…どころか既に死んでしまいました。タワーレコードはお金が余って仕方ないドコモに買収され、HMVは本体が破綻しています(日本ではローソンが買収し継続)。

 

もうCDを買う時代じゃないんですよね。YouTubeで知って、iTunesで買うかTSUTAYAでレンタル。どこにCDを買う余地があるのでしょうか。ただでさえ、みんなスマホゲームの課金で忙しいのにね。

 

この状況は「本屋さん」も似ていて、街からCDショップが消えたように本屋さんもバタバタと消えています。あのジュンク堂さえ丸善に買収されるくらいですからね。どちらもデータ化とネット流通への変化に対応しきれないビジネスモデルのようです。

 

つまり何が言いたいかというと、本とCDは小売業的に「ザ・未来のない商材」なわけです。潰れはするけど新店オープンなんてもっての他なんですね。

 

そんなCD不況の中、なんと5年ぶりに渋谷HMVが復活したそうなんです。いったい何をどう売るのか気になったので行ってきました。

 

本とCDを売ってる…

いや、風の噂で新しい渋谷HMVは「本も一緒に売ってるらしい」って情報をきいてたんですけど、予想以上に本がありますね。っていうかほとんど本屋です。本棚の中に突然CD試聴機があったりします。

 

その試聴機のヘッドホンはほとんどオーテクのATH-G5S(1994年発売)で、もはやちょっとしたアンティークだなと思ったりしたんですが、他にもKlipsch Reference On Earが使われてたりして面白かったです。

 

それにしても新店舗で本とCDを売るとは…。繰り返しになりますけど本とCDって「ザ・未来のない商材」なんですよ。それを両方とも集結させるなんて、すごい勇気ですよね。いや、ほんとに。

 

どうやらメインである「本」の分類も、普通の本屋さんとは違った切り口になっていました。「男と女」「家」「仕事」といった具合です。まぁ、この分類でお目当ての本を探すのは不可能ですよね。そう思ってか、あちこちに本やCDを検索できる機械が置いてありました。

 

本やCDの他には雑貨類なんかも充実していて、料理本コーナーでは鍋や調味料も並んじゃってます。ほんとに買う人いるのかなぁ?と思いますが、どうなんでしょうね。ちょっと話題だった蔦屋家電にインスパイアされたのかもしれません。

 

問題は愛無き陳列

いや、良いと思うんですよ、本と音楽を合わせて売るの。本が好きな人に映画好きや音楽好きは多いと思いますし、アイデアは悪くないんじゃないでしょうか。

 

例えば『海辺のカフカ』と『kid A』が一緒に並んでいれば、なかなか洒落てるなぁなんて思うかもしれません。太宰治エレカシなんてのも良いかもしれませんね。

 

しかし、渋谷HMVが抱える問題は先の例のような「作品への愛を感じるディスプレイ」になってないことなんですよね。音楽も結局はEXILE一族やらアイドルやらそんな売れ線がしっかり陣取って並んでるんです。そのことが不安定さを生んでるというか、言い知れぬ気持ち悪さのようなものを感じました。

 

「結局は何がしたいんだろう?」本棚に並べられたCDを見て、そんなことを考えていました。いや、売れるCDを並べて何が悪いの?と言う方もいるかもしれません。でも、それなら普通のCDショップで良くないですか?

 

たぶんこれは、やりたい事とやってる事がぐちゃぐちゃになってることへの嫌悪感だと思います。5個入りのドーナツセットがあって、開けたら全部1口ずつ食べられていた的な気持ち。やるならちゃんとやれよって感じですかね。

 

CDのPOP1つとってみても、タワーレコードのような愛情がいまいち感じられませんでした。たぶん担当者がこだわりを持って書いてるものじゃないんでしょうね。売り場の責任者はいても、音楽の担当なんて無いんだろうな。

 

鍵はチグハグさを乗り越えられるか

渋谷HMVはいまどきのオシャレな雰囲気はありますし、女性なんかは結構良いと思う人もいるかもしれません。そういう意味では、ちゃんとしたキュレーターを育成してコンセプトが伝わる売り場になれば、まだまだチャンスはあるように思います。

 

ただそれは一朝一夕でできることではないですよね。日々、本を読み音楽を聴いて勉強するという地道な努力(しかし楽しい努力)を蓄積していくしかないと思います。今のただ売りたいものをくっつけた感しかない売り場では、最初は物珍しく思われても、ファンとなってくれる人は多くないでしょう。

特にCD売り場…必然性がまるでない配列は単純に買いづらい。

 

改めて考えたCDショップの意義

あなたがCDを買う理由はなんでしょう?

私がCDを買う理由はただ1つ。その人に音楽活動を続けてほしいからです。たぶん、これはやや特殊な考え方ですよね。自覚があります。

 

普通は自分が好きな曲だから買うんだと思います。そうじゃなければレンタルしたりYouTubeがありますからね。でも、よく考えるとその曲って「いつ」好きになったんでしょうか?

 

普通に生活している人が受動的に新しい音楽を知るタイミングは、ドラマやアニメの主題歌か音楽番組くらいなものでしょう。(ラジオという奇特な人もいるかもしれませんが)

でもドラマやアニメの主題歌、ましてや音楽番組なんて売り手のバイアスがかかりまくった代物ばかり。これらの曲を「好きだから買った」と言われても、本質的には押し売りに反応して買っているのとあまり変わらないんですよね。(もちろん、それらの中にも良い曲はあります)

 

CDショップというのはそういう意味では、音楽の押し売りから少しだけ自由になれる場所なのかもしれません。能動的に音楽と関わることができる場所ですね。

もちろん、CDショップにはCDショップのバイアス(例えばタワレコメンのようなもの)があるので、全てのバイアスから自由というわけにはいきません。しかしながら、少なくともタイアップ曲やドラマ主題歌というバイアスを抜けて、自分が本当に好きな音楽を探すことはできると思います。

 

そう考えるとCDショップの価値は「知らないCDに出会える」ということに集約されるような気もします。知ってるCDならAmazonで買えるわけですから。

しかしその価値をより強く発揮するには「良いものをキュレーション(レコメンド)する力」が必要になるわけで、それは先に述べたような努力の蓄積が必要となるわけです。

 

はっきり言って今の渋谷HMVにその力は無いでしょう。何が売れているかは分かっても、これから何が売れるかが分からないのです。そのことに気づいて早急に手を打てば上手くいくかもしれませんが、どうもそうするとは思えず、それゆえに「失敗する予感しかないなぁ」と思ったのでした。

 

気になった人は1度行ってみるのも良いと思いますよ。

渋谷のイヤホン店に寄ったついでにでもいかがでしょうか。

 

店舗のイメージはこちらの記事が参考になるかも。

 

私のホームは池袋タワレコなので、もう行くことはないかなぁ。

 

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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Kid a

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